貧乏アーリーリタイアと相性が良い趣味である読書。図書館で1日楽しく過ごせる方は、アーリーリタイア適正が高いと思います。私は月に2~3冊読むくらいのライトな読書好きですが、最近、面白かった本がこちらです。
何もかも憂鬱な夜に (著)中村文則
施設で育った刑務官の「僕」は、強姦目的で女性とその夫を刺殺した二十歳の未決囚・山井を担当している。一週間後に迫る控訴期限が切れれば死刑が確定するが、山井はまだ語らない何かを隠している――。
本の容量は少なく読みやすいですが、中村文則さんの小説は、基本的に重厚で暗い雰囲気です。
テーマが「死刑」ですので、こちらも洩れなくズッシリとしています。さらに登場人物が軒並み精神的に不安定で鬱屈しています。作者は「人間」に対してネガティブなのかな、と思ってしまいます。
最後には、希望があるのですが、ライトなハッピーエンドの物語が好きな私にはきつかった。小説くらい、世界は能天気だと思いたいところです。
ちょっと怖かったのは、死刑囚のどうしようもない破壊衝動を共感出来たことですね。人生のどこかの分岐で暗黒面に引き込まれたら、私も山井になる可能性はあったのでしょうか?
夏の終わりに君が死ねば完璧だったから (著)斜線堂有紀
片田舎に暮らす少年・江都日向は劣悪な家庭環境のせいで将来に希望を抱けずにいた。そんな彼の前に現れたのは身体が金塊に変わる致死の病「金塊病」を患う女子大生・都村弥子だった。彼女は死後三億で売れる「自分」の相続を突如彼に持ち掛ける。
「難病モノ」は、手垢が付きすぎて、どのようにオリジナリティを出すかが勝負だと思いますが「死後、自分の身体が金塊になり、3億で売れる」この設定を思いついた時点で勝利確定です。
ストーリー展開は、だんだん症状が進んで・・というありがち展開ですが、そこに「チェッカー」「過疎の町」「毒親多数」が絡んで来て、飽きさせません。
ものすごく泣けるわけではないが、綺麗に風呂敷が畳まれ、良き読後感を得られました。
醜悪な大人が多数登場するので嫌いな方は注意。その代わり聖人な大人も出て来ますので、相殺されるかな。(無理か)
ネタバレにならないから書きますが、▽印は時系列が飛ぶマーク。分かっていたら読むスピードが上がるはず。
読んだ方は
「10万326円」すんなり分かりましたか?
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