米国の高配当ETFである【PFF】(iシェアーズ・米国優先株式&インカム証券ETF)について整理してみます。
「毎月分配があり、平常時の値動きが比較的穏やかなETF」に関心がある方にとっては、有力な選択肢の一つです。
前回取り上げた【HDV】と並び、ポートフォリオの一角を担っており、私の場合は資産の約4.5%を配分しています。
名前は聞いたことがあっても、中身までは把握していない方も多いと思います。本記事が【PFF】の理解を深めるきっかけになればと思います。
【PFF】とは
【PFF】は、優先株式やハイブリッド証券で構成された指数への連動を目指すETFです。
少し噛み砕くと、議決権は持たない代わりに、普通株よりも配当支払いで優先される「優先株」に投資する商品です。そのため、配当利回りが高い点が特徴です。
日本では馴染みが薄い資産ですが、「値上がり益よりも安定した配当収入を重視する」投資家には適しています。運用は【HDV】と同じく、世界最大級の資産運用会社ブラックロックが手掛けています。
| 銘柄数 | 453 |
| 総資産額 | 144億ドル |
| 直近配金利回り | 6.73% |
| 経費率 | 0.45% |
| 設定日 | 2007年3月26日 |
経費率は0.45%と米国ETFの中ではやや高めですが、投資対象の性質を考えれば許容範囲でしょう。最大の魅力は、5%前後の高い分配利回りと毎月分配です。直近5年は概ねこの水準を維持しています。
一方で、価格は金利環境の影響を受けやすく、2022年の金融引き締め以降は下落傾向が続きました。2023年10月に一度底打ちしたものの、その後も金利上昇局面では軟調な動きが見られます。
【PFF】保有銘柄・資産構成
| 銘柄名 | 業種 | 保有比率 |
| BA | 資本財 | 4.57% |
| WFC | 金融 | 2.37% |
| ALB | 資本財 | 1.74% |
| MSTR | 資本財 | 1.48% |
| C | 金融 | 1.40% |
| BAC | 金融 | 1.36% |
| KKR | 金融 | 1.26% |
| NNE | 公益 | 1.20% |
| MCHP | 資本財 | 1.11% |
| SO | 公益 | 1.09% |
資産配分は、金融セクターが約65%と大きな比重を占め、次いで資本財・サービス、公益事業と続きます。
この構成から分かる通り、金融システムの不安定化には弱い側面があります。過去の金融危機では大きく値を崩しており、この点は事前に理解しておくべきリスクです。
【PFF】基準価額推移

長期チャートを見ると、金融危機時の下落は非常に大きく、リーマンショック時には約70%近い下落を記録しています。
この水準の下げを許容できるかどうかは重要な判断材料です。狼狽売りを防ぐためにも、あらかじめ想定しておく必要があります。
一方で、平常時の値動きは比較的安定しています。2020年のコロナショック時には、S&P500と比べて下落幅が抑えられるなど、ディフェンシブな側面も見られました。
【PFF】分配金
| 2008 | 2009 | 2010 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026 | |
| 2月 | 0.161 | 0.179 | 0.190 | 0.163 | 0.149 | 0.112 | 0.186 | 0.176 | 0.175 | 0.177 |
| 3月 | 0.230 | 0.217 | 0.189 | 0.160 | 0.150 | 0.121 | 0.189 | 0.170 | 0.173 | 0.031 |
| 4月 | 0.255 | 0.250 | 0.208 | 0.173 | 0.151 | 0.136 | 0.185 | 0.156 | 0.172 | 0.141 |
| 5月 | 0.235 | 0.275 | 0.248 | 0.169 | 0.156 | 0.122 | 0.170 | 0.159 | 1.174 | 0.140 |
| 6月 | 0.246 | 0.272 | 0.243 | 0.169 | 0.156 | 0.146 | 0.165 | 0.163 | 0.174 | 0.138 |
| 7月 | 0.214 | 0.314 | 0.247 | 0.167 | 0.154 | 0.132 | 0.158 | 0.163 | 0.173 | 0.141 |
| 8月 | 0.208 | 0.233 | 0.308 | 0.163 | 0.150 | 0.164 | 0.157 | 0.160 | 0.162 | |
| 9月 | 0.199 | 0.215 | 0.306 | 0.160 | 0.151 | 0.150 | 0.154 | 0.163 | 0.160 | |
| 10月 | 0.220 | 0.208 | 0.228 | 0.157 | 0.148 | 0.169 | 0.160 | 0.165 | 0.170 | |
| 11月 | 0.175 | 0.225 | 0.207 | 0.151 | 0.136 | 0.169 | 0.173 | 0.165 | 0.170 | |
| 12月 | 0.190 | 0.267 | 0.246 | 0.148 | 0.123 | 0.172 | 0.192 | 0.164 | 0.175 | |
| 12月 | 0.424 | 0.230 | 0.218 | 0.061 | 0.126 | 0.237 | 0.176 | 0.176 | 0.065 |
分配金はリーマンショック時でも大きく崩れず、比較的安定して推移してきました。毎月のキャッシュフローが読みやすい点は、リタイア後の生活設計において大きなメリットです。
ただし、長期的には緩やかな減少傾向にあります。ピーク時と比較すると、分配金は約25%減少しており、この点は無視できません。
【PFF】まとめ
・値上がり益は期待しにくい
・5%前後の高配当かつ毎月分配
・分配金は緩やかに減少傾向
・金融危機時の価格下落は大きい
・平常時は比較的安定した値動き
資産形成期において中核に据えるには効率的とは言えませんが、安定したインカムを重視する局面、特にリタイア後には有用なETFです。値動きが比較的穏やかな点も魅力の一つでしょう。
私自身も長期保有を前提としていますが、分配金の減少が許容範囲を超えた場合は、見直しを検討する可能性があります。
※2026/4/10追記 2026年3月の分配金急減を踏まえた考察あり




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